舩木道忠による白釉柳文扁壼/花瓶です。
出雲・布志名に生まれた陶工・舩木道忠は、かつて画家を志して美術学校に学びましたが、のちに先祖伝来の窯業に立ち戻り、柳宗悦や濱田庄司らとの出会いによって、民藝陶工としての道を確立しました。
また、陶芸家の舩木研兒、吹きガラスの第一人者の舩木倭帆の父親でもあります。
本作は、白釉の化粧地に流麗な柳文が描かれた花瓶で、やわらかな丸壺のかたちと、即興的ながら節度ある線の構成が見事に調和しています。静謐な美の中に、舩木作品特有の「きびしい精神性」が潜んでいるようにも思います。
文様の技法は、舩木窯特有の「泥描(どろがき)」と呼ばれるものに近く、白化粧を施した素地に、やや柔らかい化粧土や釉薬をたらし流し、あるいは描き流すように施すことで、線と滲みが融合し、墨流しのような揺らぎの美しさを生み出しています。
これは英国スリップウェアにも通じる、民藝と西洋陶芸の融合した舩木ならではの表現かと思います。
本作品と同手のものが、日本民藝館に所蔵されております。また、写真最後にある講談社刊行『民藝と個人作家』にも掲載されています。
舩木道忠の代表的作例の一つであり、ミュージアムピースで希少な作品です。
【共箱付き】
舩木道忠による署名のある共箱が付属します。
【サイズ】
高さ:約21.7cmほどで、見応えのあるサイズ感です。
【状態】
写真にてご確認ください。
ご覧の通り目立つような瑕疵もなく、良好かと思います。
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