東山魁夷  東山すみ 監修「黎明」
真作 ◯△□/500シルクスクリーン
画寸44.0 × 62.8 cm
額寸70.0 × 88.0 cm
制作年2002年
版数23版23色
まだ明けやらぬ雲の上に浮かび上がる白雪の霊峰。 日本美術史上、他に類を見ない富士の姿を描いた作品です。 原画は1980年に制作されています。
『黎明』とは夜明け、または明け方を意味する言葉です。
本作は早朝の富士を描いた作品であることがわかります。雲海に浮かぶように描かれた山頂部が神々しく朝日を浴びていますが、この絵を見て何かを思い浮かべる方はいませんでしょうか。
実はこの作品を手掛ける数年前、東山は中国を訪れていました。その時に彼は、桂林や黄山といった山水画で描かれているような奇峰をその目に焼き付け、実際にそれらを描いた作品を、その期間でいくつか発表しています。
その影響が色濃く反映された作品かと思われます。
水墨画に近い調子で色調は薄く、まるで中国の霧深い峰々のように、日本の象徴である富士山が仙境として描かれています。
東山はこのように、海外で影響を受け、それを日本の風景に取り入れた作品を描くことがありました。
東山 魁夷 ひがしやま かいい
1908年(明治41年)7月8日~1999年(平成11年)5月6日)は、日本の画家、版画家、著述家。昭和を代表する日本画家の一人で、風景画の分野では国民的画家といわれる。文化勲章受章者。
千葉県市川市名誉市民。
本名は東山 新吉 ひがしやま しんきち。
代表作品
『残照』(1947年、東京国立近代美術館収蔵)
『道』(1950年、東京国立近代美術館収蔵)
『光昏』(1955年、日本芸術院収蔵)
『青響』(1960年、東京国立近代美術館収蔵)
『白夜』(1963年、北澤美術館収蔵)
『曙』(1968年、北澤美術館収蔵)
『年暮る』(1968年、山種美術館収蔵)
『花明り』(1968年、個人所蔵)
『白馬の森』(1972年、長野県立美術館収蔵)
『緑響く』(1972年、長野県立美術館収蔵)
『濤声』『山雲』『黄山暁雲』(1975年、唐招提寺障壁画)
『朝明けの潮』(1968年、皇居新宮殿壁画)
『夕星』(1999年、長野県立美術館収蔵)
『春雪』(木版画、1986年)
『秋思』(リトグラフ、1991年)
『秋宵』(リトグラフ、1998年)
 
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